初めまして。日本で理学療法士をしている Rie と申します。大学卒業後、大学病院で4年働き、新たな技術知識を求め、現在NYで研修をしています。Orthopedic Movement Physical Therapyでも週1~2回程度、新しいことも学ばせて頂いています。日本では理学療法士への認識は低く、病院でリハビリする人?という認識だと思います。しかしアメリカの理学療法士さんは日々新しい技術を患者さんのニーズに合わせてたくさん勉強されているから、世間からの認識も深く、信頼されているのだと感じます。
今回は、私は研修の足のケガで多い捻挫について、リハビリではどんなことをするかということをお話いたいと思います。NYは日本より綺麗に舗装された道が少ないですし、今後寒くなると凍結した道を歩いて滑って受傷する可能性もあるので、気を付けなければいけないケガの一つです。
それでは足の解剖から・・・

 

足関節の解剖
ankle sprain 1
足は脛(けい)骨(こつ)(①:図を参照)、腓(ひ)骨(こつ)(②)および26個の骨で形成されている。脛(けい)骨(こつ)は腓(ひ)骨(こつ)に比べ大きくて強大で、内側に位置している。脛(けい)骨(こつ)の下端は凹面(おつめん)になっており、内側には内果(ないか)(③)と呼ばれる隆起がある。腓(ひ)骨(こつ)は、脛(けい)骨(こつ)の外側にある、細く、下端には外果(がいか)(④)と呼ばれる隆起がある。脛骨腓(けいこつひ)骨(こつ)および距(きょ)骨(こつ)(⑤)で形成されるのが、距(きょ)腿(たい)関節(かんせつ)(talocrural joint)である。距(きょ)腿(たい)関節(かんせつ)の基本的な動きは屈曲(くっきょく)(flexion)、伸展(しんてん)(extension)で、通常背屈(はいくつ)(D/F)、底屈(ていくつ)(P/F)と表現される。距(きょ)腿(たい)関節(かんせつ)は、比較的弱くて薄い線維性の関節(かんせつ)包(ほう)(joint capsule)で取り囲まれているが、内側・外側側副靭帯によって補強されている。内側側(ないそくそく)副靭帯(ふくじんたい)(deltoid ligament)は、三角(さんかく)靭帯(じんたい)(⑥)とも呼ばれ、内果から周囲の骨に扇型に広がって付着した脛(けい)踵(しょう)靭帯(じんたい)(⑦tibia-calcaneus ligament)、前脛距(ぜんけいきょ)靭帯(じんたい)(⑧anterior tibia-talus ligament)、脛(けい)舟(しゅう)靭帯(じんたい)(⑨tibia-navicular ligament)、後脛距(こうけいきょ)靭帯(じんたい)(⑩posterior tibia-talus ligament)の4つで構成されている。これらの靭帯は脛(けい)骨(こつ)や距(きょ)骨(こつ)の前後への偏位を防止しており、距腿関節の内側に安定性を与えるのに重要である。また外側側(がいそくそく)副靭帯(ふくじんたい)(⑪)は前距腓(ぜんきょひ)靭帯(じんたい)(⑫anterior talo-fibular ligament)、後距腓(こうきょひ)靭帯(じんたい)(⑬posterior talo-fibular ligament)、踵腓(しょうひ)靭帯(じんたい)(⑭calcaneo-fibular ligament)の3本の靭帯からなり、外果と隣接する骨をつないでいる。この靭帯は足関節の外側の安定性させること、また過度な内(うち)がえしを防止するうえでも非常に重要である。足関節が背屈(はいくつ)すると、後距腓(こうきょひ)靭帯(じんたい)および踵腓(しょうひ)靭帯(じんたい)が緊張し安定が得られ、足関節が底屈(ていくつ)すると、前距腓(ぜんきょひ)靭帯(じんたい)が緊張して安定が得られる。
ankle sprain 2
距腿関節を構成するお脛(けい)骨(こつ)よび腓(ひ)骨(こつ)の下端は下位脛腓(かいけいひ)関節(かんせつ)(inferior tibiofibular joint)という靭帯結合により関節をなす。その靭帯は遠位脛腓(えんいけいひ)靭帯(じんたい)(distal tibiofibular ligament)と呼ばれ、前下脛腓(ぜんかけいひ)靭帯(じんたい)(⑮anterior inferior tibiofibular ligament)、後下脛腓(こうかけいひ)靭帯(じんたい)(⑯posterior inferior tibiofibular ligament)、骨間脛腓(こっかんけいひ)靭帯(じんたい)(interosseous tibiofibular ligament)で形成されている。遠位脛腓靭帯は関節の安定性、可動性、荷重伝達機構の役割を持つ。そしてこの関節は距(きょ)骨(こつ)の形状に合わせて、背屈(はいくつ)した際は腓(ひ)骨(こつ)が挙(きょ)上(じょう)・外旋(がいせん)することで下位脛腓(かいけいひ)関節(かんせつ)が広がる。また底屈(ていくつ)した際は腓(ひ)骨(こつ)が下制(かせい)・内旋(ないせん)することで関節が狭まるが、距(きょ)骨(こつ)も挟まっている割合少なく、距腿関節が他の運動(内反(ないはん)や外(がい)反(はん))が起こりやすい。

 

捻挫とはankle sprain 3
捻挫(sprain)とは、関節にかかる外力により非生理的運動が生じ、関節を支持している靭帯や関節(かんせつ)包(ほう)が損傷することをいう。いずれの捻挫も、疼痛、腫脹、機能低下を認め、パフォーマンスの低下につながる。また最近では、Ottawa ankle rulesという触診にて捻挫後の骨折の有無を確認し、不必要なレントゲンをせずに済む簡便な評価がある。体重を掛けて歩けるかどうかと、圧痛点を確かめるもので、以下に記載する。また捻挫は靭帯の損傷や骨折だけでなく、腓(ひ)骨筋(こつきん)(peroneus lomgus)の神経反応速度が遅くなることが報告されている。靭帯損傷から起きる、神経受容器の機能低下、関節の弛緩(しかん)、腓(ひ)骨筋(こつきん)の筋力低下、筋の受容器の機能低下が主な原因である。足関節の底背屈以外の動きに対し抵抗する動きが鈍るため再受傷しやすくなる。
足関節捻挫の種類別に受傷起点、症状を以下に述べる。

〈内反捻挫(ないはんねんざ)〉
ankle inversion・内反(ないはん)(inversion)した際にかかった外力により受傷
・前距腓(ぜんきょひ)靭帯(じんたい)や踵腓(しょうひ)靭帯(じんたい)といった外側の組織が損傷する
・バスケットボールやバレーボールなどの競技で特に多く発生する。ジャンプ着地時に人の足の上に乗り、足関節の内反(ないはん)が強制されて起こる場合が最も重症。床で滑って足を捻った場合は中等度の損傷が多く、サッカー、ラグビー、アメリカンフットボールなど接触プレーをはじめ、野球のスライディング、体操にも多くみられる。ダンサーの場合は、ジャンプ、ターン着地の失敗や段差の踏み外しなどで発生する。
・症状は、外果(がいか)の前や下に痛みがあり、腫れる。重度の捻挫の場合は、内果(ないか)周囲にも痛みがでる。靭帯の部分断裂を起こすと、その部分より出血を生じ、見た目にも青黒く皮下(ひか)出血斑(しゅっけつはん)が広がる。
・腓(ひ)骨(こつ)下端または外果(がいか)や第5中足(ちゅうそっ)骨(こつ)骨頭(こっとう)に圧痛もしくは体重を掛けられない場合、骨折を合併している可能性がある。(Ottawa ankle rules)
・機能、疼痛および腫脹の程度により重症度分類Ⅰ~Ⅲと分類され、その基準を元に固定期間やリハビリテーションの介入方法などが提唱されている。日本の重症度分類は、前距腓(ぜんきょひ)靭帯(じんたい)の損傷のみをこの分類にいれ診断しているが、アメリカでは踵腓(しょうひ)靭帯(じんたい)の損傷も加え判断している。より細かい運動制限や注意喚起が可能で、その後のリハビリテーションの施行においても重要である。

ankle sprain 5

重症度 診断と機能 疼痛 腫脹
軽度(Ⅰ) 靭帯の瞬間的な伸長

機能的損失なし

軽度 軽度
中等度(Ⅱ) 靭帯の部分断裂

機能的損失

強い さまざま
重度(Ⅲ) 靭帯の完全断裂

機能的損失と不安定性

強い 強い

〈外反捻挫(がいはんねんざ)〉
ankle eversionankle sprain 7・外(がい)反(はん)(eversion)した際にかかった外力により受傷。外力の加わり方が強く、捻挫で済まず骨折、脱臼を伴う場合が多い。
・三角(さんかく)靭帯(じんたい)の損傷や内果(ないか)骨折(こっせつ)を引き起こす。
・症状は、内果(ないか)の前・下・後ろに痛みがあり、腫れる。外果(がいか)周囲にも痛みがでる。靭帯断裂や骨折があると、その部分より出血を生じ、青黒く皮下出血斑が広がる。
・内果(ないか)下端または外果(がいか)や舟状(しゅうじょう)骨(こつ)もしくは体重を掛けられない場合は骨折を合併している可能性がある。(Ottawa ankle rules)
・重症度分類は存在しない

〈骨間捻挫〉
・脛骨腓(けいこつひ)骨間(こつかん)の靭帯結合を損傷する捻挫のこと。
・足関節が、背屈(はいくつ)および外旋(がいせん)(E/R)が強制された際に受傷。
・遠位脛腓(えんいけいひ)靭帯(じんたい)を損傷する。
・サッカー選手が切り返し動作で下腿のみ外旋(がいせん)することで距(きょ)骨(こつ)の位置が悪く靭帯の損傷を引き起こす。(例右図)
・症状は、足関節周囲の腫れと疼痛。背屈ができない、もしくは痛みがある。ふくらはぎの中央を掴んだ際に痛みを生じる。
・重症度分類は存在しない


治療・リハビリテーション


以前はRICE(安静・冷却・圧迫・挙上)を基本とし、内反捻挫の場合Ⅱ度以上の捻挫は数週間固定してから運動を開始するという方針であった。しかし近年、不活動は患部の痛みを助長するだけでなく、新たな痛みを生み出し、慢性痛(chronic pain)の悪循環を構築することが指摘されている。捻挫の症状である腫脹も、動かさないことで循環が滞り悪化し、それは痛みや機能低下、可動域(かどういき)制限(せいげん)を引き起こす。そこで、リハビリテーションでは受傷初期から積極的に正しい位置で動かし、患部の循環を促し、機能低下を防ぐことが求められる。また捻挫後の神経反応速度低下に対しても、腓骨筋のトレーニングや不安定板の上に乗り神経受容器を刺激する運動することで回復するというリハビリの効果報告があり、再受傷を防ぐためにも早期からリハビリの介入は重要である。
受傷後の症状によりリハビリ内容を具体的に紹介する。

痛み 腫れ 歩行 階段 軽い運動 スポーツ
Phase1 強い 強い × × × ×
Phase2 弱~強 弱い × × ×
Phase3 弱い 弱い ×
Phase4 弱い 弱い

Phase1(歩行:不可、疼痛:強い、腫脹:強い 軽度の捻挫はこのPhaseは通過)
注意 歩く時はサポーターを使用し再度内反することを防ぐ。また松葉杖など使用し痛みが出ない範囲で荷重をかけ、正常に近い形の歩行をする。
・リンパマッサージ
捻挫後は患部の腫脹により下肢の循環が低下し、疼痛を引き起こす。そのため、下肢に溜まった老廃物を心臓の方に戻すためにセラピストによりリンパマッサージを行う。
受傷者自身では、仰向けにて膝から下を椅子または枕に乗せ、高く保ち、腹式呼吸を繰り返す。これにより足のリンパから繋がるお腹にある太いリンパ管の灌流量が上がり、下肢のリンパ管が流れやすい環境になる。

・ポンピング
上記で述べたように患部の腫脹により下肢全体の循環が悪くなるため、循環改善のため行う。筋を収縮させることでリンパマッサージの効果も期待できる。また体重を十分にかけた歩行が行えないため、筋力維持の目的も含む。
仰向け、膝を伸ばしたまま足を上げることや、膝を曲げて足踏みをする。左右ともに10回×3セット程行う。

・徒手療法(マニュアルセラピー)
徒手(としゅ)療法(りょうほう)とは、各系(感覚器(かんかくき)系(けい)・結合(けつごう)組織(そしき)・神経(しんけい)系(けい)・関節(かんせつ)系(けい)・循環(じゅんかん)系(けい)・内臓(ないぞう)系(けい)など)を評価し診断した上で最も適するアプローチを選択する治療手技である。捻挫の場合は、受傷時の衝撃や腫脹から関節の動きが悪くなり痛みの原因となっている。そこに対し、セラピストはモビライゼーションという関節にゆっくり細やかな運動を繰り返し与え、硬直(こうちょく)した関節部分を動くように回復させるテクニック施行する。この時期には振幅の小さい範囲で行い、関節の動きの改善および関節周囲の循環改善を目的とする。またマニュピレーションといい、神経筋骨格系の機能不全に対し高速度で振幅の小さい関節運動を加えるテクニックを施行する場合もある。

・関節可動域訓練
関節(かんせつ)可動域(かどういき)訓練(くんれん)は、関節の最大限の動きを他動・主動で動かすことをいう。捻挫後は関節の腫脹により関節が動きにくい状態になる。関節を動かさないことで、循環が滞り、関節の拘(こう)縮(しゅく)が進み、運動機能にも影響が出る。そのため、関節可動域訓練をすることで、循環改善により腫脹を軽減させ、関節拘縮を予防する。
痛みの無い範囲で、足の親指で「あいうえお」を描き、小さな動きから始める。

・筋力トレーニング
患部の筋力低下を防ぐとともに、筋の収縮を促すことで循環を良くするために行う。また、捻挫後に機能低下すると言われている神経反応速度や固有(こゆう)感覚(かんかく)受容器(じゅようき)に対し、意識して筋収縮し運動することで回復を促す。
この時期には関節を促すことで痛みが出やすいため、関節を動かさずに壁を蹴るように力をいれ、下腿(かたい)三頭筋(さんとうきん)の収縮を図る。また足先をゴムなどで縛り、小指側を外へ動かし、腓(ひ)骨筋(こつきん)の筋収縮を促す。

・超音波
超音波は振動が軟部(なんぶ)組織(そしき)に伝わり、血流の増大、痛みの軽減、浮腫の軽減、関節可動域の改善などの効果が得られる。設定方法によっては、深部で熱を発生させ温熱効果も可能だが、この時期には非温熱を選択する。

・アイシング
アイシングは、捻挫による内出血で起こった血管の透過性や細胞の新陳代謝を減少させる効果があり、疼痛の軽減や腫脹を改善する。
方法は、患部を氷でマッサージするようにする場合は5分程度で深部まで冷える。またアイスパックを置く場合は20分程度で深部まで冷える。

・コアトレーニング
コアトレーニングは体の中心を意識することで、体のバランス調整が可能となるため、スポーツや日常生活で再受傷しないためにも大切なトレーニングである。
この時期には下肢に荷重を掛けないような方法で始めていく。

・ADLトレーニング
疼痛が強く足が地面につけないため、松葉杖などで体重がかかることを防ぐことで、日常生活の移動手段を獲得する。階段の昇降方法も誤ると転倒の可能性が高いので、手順の獲得が必要となる。
足を完全に床につかない場合は、松葉杖を前に出し、非受傷側を前へ進める。足が少しでもつける場合は、松葉杖を出してから、捻挫した足を出し、体重のかかる量を手で調整しながら非受傷側を前へ進める。階段を上る際は、手で支えてながら非受傷側を上の段に上げて、松葉杖と受傷側を揃える。下る際は、松葉杖と受傷側を下の段に下げて、手で支えながら非受傷側を揃える。階段では上りも下りも、捻挫した足が下の段にあると認識する。

Phase2(歩行:可能・代償動作あり、疼痛:弱~強、腫脹:少)
注意この時期もサポーターを着用し、内反の動きを制御する。また着用することで、他人や他者への注意喚起する目印として着用することもある。
・徒手療法(マニュアルセラピー)
Phase1でも行っていたモビライゼーションやマニュピレーションを引き続き行い、動きの改善を目指す。モビライゼーションに関しては、この時期には振幅範囲を深くし施行する。この時期に主に行うマニュアルセラピーとしては、距骨を前方から後方に押すものや、腓骨を前方から後上方に押すなどのテクニックがある。

・関節可動域訓練
Phase1に引き続き、循環改善および関節拘(かんせつこう)縮(しゅく)予防目的に施行する。
Phase1の運動〈あいうえおを指先で描く〉の動かす範囲を広げる。また、患者本人の力で動く範囲を他人が少し手伝い動かす自動他動運動(active assist range of motion)を行い、動く範囲の拡大を図る。

・筋力トレーニング
ankle heel raises筋収縮による循環改善目的および筋力低下、また神経受容器への刺激目的に行う。
セラバンドなどを使用し、疼痛がない範囲での筋力強化を図る。また立位でアライメントを確認しながら踵上げ〈カーフレイズ〉を行い、足関節の協調性を上げる。

・超音波
腫脹の軽減や関節可動域改善目的にPhase1同様に患部周囲に施行する。炎症度合や、効果をみて温熱効果の使用を考慮する。

・コアエクササイズ
Phase1同様に続け、負荷量を少しずつ上げていく。可能であれば、下肢が床についた状態でのトレーニングも加えていく。

・バランストレーニング
これは、腓(ひ)骨筋(こつきん)や足関節の神経受容器の反応速度改善目的に行うトレーニングである。また、足がどの方向に傾いているか感じ正しい位置に修正することで、固有(こゆう)感覚(かんかく)受容器(じゅようき)の機能が改善する。さらに、姿勢保持筋の筋力トレーニング効果もある。
不安定板やスポンジの上に立ち、静止立位の保つトレーニングを開始する。

・ADLトレーニング
痛みを避けて間違った動きを身に付けると、関節の動きが不均等になり関節拘縮の進行や変形につながる。そのためできるだけ正しい動きを、可能な範囲で行う必要がある。
歩くことに関しては、大股歩きや早い速度で痛みが出る場合は、歩幅を小さくし、ゆっくりとした速度で歩くよう指導する。また歩き続けることで痛みが出るようであれば、一回に歩く距離や時間を指導する。また階段の上り下りは、手すりを持つか松葉杖のとき同様一段ずつ足を揃えるようにする。上りは、非受傷側から上げて受傷側を揃える。下りは受傷側から下し非受傷側を揃える。

Phase3(歩行:可能、日常生活動作:不可な面もあり、疼痛:動作時)
注意一般の患者は、歩くことが出来るため、この段階でリハビリは終了と思いがちである。しかし階段昇降に痛みを感じることや、しゃがむことができないなどの症状があり、再受傷の危険もあるため、リハビリを継続することが重要である。
・徒手療法
Phase1から行っているマニュアルセラピーに関しては、振幅の深い範囲での施術を行い、骨の微細なアライメントを修正し、関節可動域の改善、機能改善を図る。また速度の速いマニュピレーションは神経や脳への影響もあり、筋の収縮を促し、疼痛消失も期待できると言われている。

・関節可動域訓練
Phase1に引き続き、循環改善および可動域改善目的に行う。
Phase2から行っている患者本人の力で動く範囲を他人が少し手伝い動かす自動他動運動(active assist range of motion)に加え、他動運動(passive)により関節可動域を拡大させる。セラピストによる力を加える場合と、アキレス腱を伸ばすように本人力を使って行うことも出来る。

・アイシング
アイシングは運動後に痛みや軽い炎症を軽減させるために続ける。
方法はPhase1と同じ。

・コアエクササイズ
スポーツ復帰に向け、より負荷量を上げた、コアエクササイズを継続する必要がある。

・バランストレーニング
ankle foamPhase2から引き続き、難易度を高くしてバランストレーニングを行う。不安定板の上などで、両下肢の立位バランスから片足のバランスや目を瞑るなどへ移行していく。

・ダイナミックトレーニング
日常生活の応用的な動作やスポーツ復帰に向けて、全身運動時の筋の協調性向上や神経伝達速度向上目的に大きい動きのトレーニングを開始する。
例えば、歩幅を狭くしてランジ動作を行い支持基底面が小さい中バランスを取りながら運動することや、ボールや輪投げなど手の動きに集中しながら足の動きを伴う運動を行う。

・ADLトレーニング
歩くことに関しては、無理のない範囲距離を伸ばしていくよう指導する。階段は手すりを使用し、しゃがむ際は足を片方前へ出す、テーブルや椅子に手を添るなど動作を工夫するよう指導する。

Phase4(階段などの日常生活動作:可能、スポーツ復帰時期)
注意スポーツ復帰の時期であるが、少しずつ動作を確かめながら開始する。不安感があれば、運動中はサポータやテーピングで固定するよう指導する。
・徒手療法
モビライゼーションやマニュピレーションは以下のトレーニングを開始する前に、関節の細かな動きを確認し、動きの悪い部分に施行する。

・コアトレーニング
スポーツ復帰に向け、下肢に体重がかかった位置でのコアエクササイズに切り替え、動作中にコアの活動が意識できるようにトレーニングしていく。

・ダイナミックバランストレーニング
ankle sprain 15運動中にバランスを崩しそうになった際に、神経―筋が正しく反応し、姿勢を保持したり、立ち直り動作ができるよう施行する。
不安定板で上肢、体幹の位置を変化させるなど、バランスが悪い状態を作っても下肢でバランスがとれるようにトレーニングをしていく。

・スポーツ動作
それぞれのスポーツ動きにより近い動きを行い、速度の速い神経―筋の反応や運動感覚を再獲得するために行う。
走る、ステップ、ジャンプなどスポーツに必要な基本的な動きから、組み合わせてスポーツ動作により近い動きまで、アライメントを確認しながら行う。可能であれば、競技で使用するボールやラケットなどの道具を使用して行う。

・ADLトレーニング
スポーツを行う上で、不安や違和感が生じる場合のテーピング方法等を指導する。またスポーツ時に不安や痛みが生じた動作をセラピストとともに確認し、正しい動作方法の獲得を促す。

長く読んでいただき、ありがとうございました。リハビリってこんなことをするんだということが分かっていただけたでしょうか。自分でも出来ると思ったら、それは間違えです。正しい方法で、適度の回数で早くケガが治るように手助けするのがリハビリです。足を捻って、痛みが出た場合はすぐに病院に行きましょう。