骨の健康は骨密度?骨密度は正常なのに骨折?ストレッチをしても体が硬い?
体を支え内臓を守る骨の強度、また、骨密度数値だけではわからない骨の健康とその影響について紹介します。
キーワード:骨の健康、骨膜、骨密度
骨は、「体の支柱」や「脳や内臓を守る」などといった役割が一般的によく知られていますが、実は他にも重要な役割があります。骨は、筋肉をつなぎ「運動の支点」となり、体を動かすうえで欠かせない役割を果たしています。骨はカルシウムとコラーゲンという2つの成分で構成されており、コラーゲンを土台にカルシウムが付着し骨が生成されています。骨密度検査で測定される骨は、皮膚細胞と同じように常に新しく生成されています。健康な成人では、およそ3〜5年ごとに全ての骨が入れ替わります。
一般的に、骨密度が高ければ丈夫な骨とされます。ホルモンの変化や老化などが原因で、骨密度が低下した骨は骨粗鬆症などと呼ばれ、折れやすく脆い骨とされます。しかし、密度だけが必ずしも健康で強い骨とは限りません。
では、骨密度の他に何が骨の健康に影響しているのでしょうか。実は、骨膜(periosteum)という骨を覆う、伸縮性のある膜が関係しています。骨膜は、血管や中枢神経がめぐっており、栄養を巡らせ骨の状態を保ったり、骨にしなりを与えるだけでなく、骨の状態を感知する役割もあります。骨折などの際に骨に痛みを感じるのは、骨膜にある神経のおかげです。更に、骨と筋肉の間に位置する骨膜の状態は、筋機能にも影響しています。それは、骨膜が与える骨のしなりが関係しています。
骨密度の高い丈夫な骨でも骨膜が硬く伸縮しなければ、骨折や関節痛、体の痛みなどを感じることがあります。つまり、骨の可動域が制限された状態は、筋肉の可動域をも制限され、筋肉や関節も硬くなってしまいます。
骨膜の伸縮性は、筋肉にどのような影響があるのでしょうか。大腿骨を例に、人は屈むと大腿四頭筋(前太もも筋肉)は伸張し、大腿二頭筋(裏太もも筋肉)は収縮します。骨密度も骨膜も正常で「健康な骨」の持ち主は、骨のしなりを利用して深く屈めます。しかし、骨膜の硬い骨の持ち主は、可動域が制限され深く屈むこと困難であり、筋肉や関節は次第に硬くなり腰や膝など痛みを感じる場合もあります。
骨の質(骨密度と骨膜の健康状態)は、加齢だけでなく過去の外傷や疾患などが要因で低下することがあります。骨の質を保持したり、改善するには様々な治療法がありますが、今回の記事では、骨の健康とは何を意味するのか紹介いたしました。
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